檜山沖に100万キロワットの洋上風力発電所 コスモ子会社計画

 
石油元売り大手コスモエネルギーホールディングス(東京)の子会社「コスモエコパワー」(同)は9日、檜山管内沖で総出力最大100万キロワットの洋上風力発電所の建設を計画していることを明らかにした。大規模な風車を最大125基設置する計画で、洋上風力発電所の具体的な計画としては国内最大級。停止中の北海道電力泊原発(後志管内泊村)の3号機(出力91万2千キロワット)を上回る規模となる。

 
コスモエコパワーが同日、檜山管内江差町で開いた住民説明会で計画の概要を説明した。上ノ国町からせたな町までの沖合の水深約200メートルまでの範囲を事業実施区域として想定。出力は1基あたり8千~1万2千キロワットで、風車の高さは海水面から189~245メートルを予定している。

 
沿岸からの水深が約50メートルの海域は風車を海底に固定する「着床式」、約50~200メートルの沖合は風車を海上に浮かべる「浮体式」の方式を採用し、風速が6・5メートル以上の場所に設ける方針だ。事業費は未定。

 
同社は江差町を含む道内8カ所の陸上で風力発電事業を行っている。檜山沖は安定した強風が吹くため、洋上風力発電所の建設に適していると判断した。同社事業開発部は「地域住民や地元業者との共存共栄を目指して取り組んでいきたい」としている。

 
昨年成立した洋上風力発電普及法に基づき、国が洋上風力を優先して整備する「促進区域」に檜山沖を選んだ場合、事業者を公募し、事業の実施能力や地域経済への波及効果などを評価する。選ばれた事業者には発電設備の占用許可が与えられる。

 
檜山沖が促進区域に選ばれるかどうかは不確定なため、着工や稼働の時期は未定だという。

檜山沖ではすでに、電源開発(東京、Jパワー)が総出力72万キロワットの大規模洋上風力発電所の建設計画を明らかにしている。コスモエコパワーは石狩湾沖でも総出力最大100万キロワットの洋上風力発電所の建設を計画している。